映画「ブラインドネス」…わたしたちが今目にしている事は本当に真実なのか?哲学的心理サスペンス

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この物語の大半はこの収容所の中で展開していく。この収容所に隔離された人々がどのような事を考え、どのような行動をとるかを描いた心理サスペンスであり、このような極限状態を描く事によってわたしたちが普段目にしている日常って一体何なんだろうという事を問いかける寓話でもある訳だ。
この極限状態の中で穏やかな日常生活を送っていた人々はやがて支配する側とされる側とに分裂していく、生まれついての盲人という生活的弱者はいつしか強者へとすりかわっていく。
そして生き延びるための凄絶なサバイバルが始まってしまう。
このようにただ全員の目が見えなくなるという一点だけで、人間社会の秩序はもろくも崩れ去っていくのだ。
この映画の主人公(ジュリアン・ムーア)は失明した眼科医の夫の身を案じて、感染者を装い自らこの収容所に身を投じる。
つまり失明者の中で唯一目が見える人間という設定です。
わたしたち観客はこの主人公の視線を通して収容所の中で繰り広げられる人間ドラマを垣間見る事となり、この準1人称ともいえる視点が面白い。 オイリー肌対策をした方がいいかもしれませんね。
ブラジル出身の俊英フェルナンド・メイレレス監督が国際的なキャストを揃えて描いたこの作品、色彩を極端に落としたモノトーンに近い映像で観る人々の不安を煽り、緊張に満ちた異色作に仕上げている。
わが日本からも伊勢谷友介と木村佳乃が重要な役割で出演しており、日本人として嬉しい限りだ。
その他の出演者ではやはり悪役を演じたガエル・ガルシア・ベルナルが印象深い。
端正な顔立ちにギラギラした野獣のようなオーラを漂わせた強烈な悪役ぶりだった。
ただこの作品、終盤の展開に大いに不満がある。

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